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或る新聞社の記事の造り方。(社是??)
2014.02/16 (Sun)
これ、面白かったので、転載します。と言っても、敢えて時系列を引っ繰り返して、朝日新聞(あ、ばらしちゃった)の記事を先に。
謎解きはその後で。
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≪売れるから「嫌中憎韓」 書店に専用棚 週刊誌、何度も≫
2014年2月11日09時30分
「嫌中憎韓」が出版界のトレンドになりつつある。ベストセラーリストには韓国や中国を非難する作品が並び、週刊誌も両国を揶揄(やゆ)する見出しが目立つ。
東京・神保町の大手「三省堂書店」。1階レジ前の最も目立つコーナーに刺激的な帯のついた新書が並ぶ。
「これでもまだあの国につき合いますか」「あの国に学ぶことなど一つとしてない!」「どうしてこの民族はこんなに自己中心的なのだろうか」
同書店では昨年秋ごろから日本を賛美する内容の本と並んで、韓国や中国を批判する内容の本が売れ始めた。大月由美子主任は「店舗の売り上げに占める割合が大きくなり、専用のコーナーを設けることになった」と説明する。
三省堂だけではなく、多くの書店が、こうした本を集めたコーナーを設け始めており、「嫌中憎韓」は出版物の一ジャンルとして確立しつつある。
今年に入ってから既に、新書・ノンフィクション部門の週刊ベストセラーリスト(トーハン)のトップ10には『呆韓論』『侮日論』『噓(うそ)だらけの日韓近現代史』の3冊が登場した。昨年の同時期には1冊もなかった。
中でも『呆韓論』は昨年12月5日に発売されてから2カ月弱で20万部売れ、7週連続でトップ10入りした。産経新聞出版の担当者は「想定をはるかに超える売れ方だ」と話す。読者からは「韓国がなぜあそこまで反日になるかよく分かった」などの声が寄せられているという。
05年に発売され、シリーズ累計100万部を売った『マンガ嫌韓流』は22日、新たにムック本を出す予定。担当者は「大手メディアが韓国の悪い部分を報じず、国民の中にたまっていた不満をすくいとったのでは」と分析する。
こうした傾向は、週刊誌も同じだ。
昨年1年間に発行された週刊文春全49号のうち、見出しに「中国」「韓国」「尖閣」「慰安婦」などがついた記事は48号に上った。週刊新潮は49号のうち37号、週刊ポストは44号のうち38号、週刊現代は46号のうち28号だった。
記事の内容や大きさは若干異なるがほとんどの記事が両国や、両国の指導者を非難する内容だ。「売れるのでやめられない。政治家スキャンダルなどと違い、国外のニュースを紹介するだけなので訴訟リスクが極めて低いことも記事を増やす要因だ」。30代の週刊誌記者は明かす。
週刊誌が中国の記事を求められるようになったのは2010年の尖閣諸島沖での漁船衝突事件の頃から、韓国は12年の李明博大統領(当時)の竹島上陸の頃からという。
新しい動きもある。昨年末に編集長が交代した週刊現代は1月末の号で嫌中憎韓路線を転換。「『嫌中』『憎韓』に酔いしれる人々は本当に武器を取るつもりか」と訴えた。
若手記者からは異論もあったが、「感情的な議論でなくきちんとした検証が必要。面白いだけでなく、ためになる週刊誌でなければならない」(同誌記者)と決めたという。売り上げは「落ちなかった」という。
メディア批評誌「創」の篠田博之編集長は「週刊現代は思い切った方向転換だったが、それが長期的方針になるかはまだわからない。売れる限りブームは終わらないだろう」と分析。慶応大の大石裕教授(ジャーナリズム論)は「週刊誌などだけがブームを作ったわけではない。メディアが日韓・日中の対立ばかりを報じ、日常的な交流のニュースを捨象してきたことも根本にある。報道全体の検証が必要だ」と話す。(守真弓)
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この記事が書かれる前に、産経新聞にアサヒの記者という女性から電話があり、その折、席を外していたため、掛け直すようにとの伝言だったので、掛け直したんだそうです。
この時点で、何だかなぁ、ですけどね。取材の電話掛けといて、掛けて来いもないもんです。「改めて掛け直します」、じゃないんですかね。
でも、取材か何か分からないから、掛けて来いと言われたら掛けますよね、普通。
そしたら・・・・、あ、ここからは転載の方が良いですね。
では。
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まず当初、突如として朝日の記者を名乗る女性から電話がかかってきました。
不在だったのですが、「かけ直せ」という伝言があり、かけ直す義理はありませんが、折り返し電話してみたところ、いきなり、
「『呆韓論』という本ですが、売れてますか」
「売れていますが何か?」
「現在、何万部ですか?」
「20万部ですが」
さらに、「それはなぜ売れてるんでしょうか」みたいなことを聞いてくる。
「これは取材なんですか」と聞いたところ、「まあそう、ふふふ、ですね」と、のらりくらり。
朝日新聞が、「韓国に関する本が売れているという事実」から、どのような記事を書こうとしているかは、だいたい想像がつきます。
ですから、「取材ならきっちり取材として受けたいですが。どのような記事ですか?」と聞いても、次々と聞いてくる。
「韓国や中国に関する本が売れているという記事なのですが、どのようなことで売れているか、その理由を入れろと言われて。読者からの感想などがあれば入れるように上司から言われまして」
と言う。
つまり、「売れている理由」を免罪符として入れるということでしょうね。
答えなくてもよかったのですが、放置して勝手なことを書かれても困りますので、次のように言いました。
「感想はたくさん来ていますよ。朝日新聞に広告を出しましたが。そこにも読者の声は多数出ていたはずですが?」
「たとえばどのような」
普通なら、おたくの新聞に載せた広告なので、自分で見てください、調べてください、というところですが、すでにそれも邪魔くさくなっていたので(取材を受ける義理はありませんので)、朝日新聞の広告に載せた読者の声を読み上げました。
すると、
「ではその『「韓国がなぜあそこまで反日になるかよく分かりました』に(します)」
最後に、「いつ、どこに載せる記事ですか? どのような記事ですか?」と聞くと、
「明日の朝刊の文化面に載ります。韓国や中国に関する本が売れているという記事で、そんなに角度のある記事ではないと思うんですけど(笑)。
記事を読んでみてください(笑)」
そして本日、掲載されたわけですが、この記事のどこが「角度のある記事ではない」んでしょうか。
ひょっとして角度がついていることが、わからないのかもしれませんね。ほんわかした女性でした。
この記事を一読して、まるで以前、同じく「呆韓論」について書いた「中央日報」のごとく、自社の報道に対する反省のない記事だと感じました。
まず、まるで韓国に関する本が「売れてはいけない」みたいな記事です。
しかも、<日本を賛美する内容の本と並んで>という一文を入れているところからも意図が伺えます。
では、「日本を貶める」記事は垂れ流されてもいいのでしょうか。
たくさん頂いた感想のお葉書を読むと、一般の読者の方は、「なぜこんなに韓国は日本に対して悪意をむきだしにするのだろうか」「なぜここまで『反日』なのか」という疑問がわいて、読んでくださっているのです。
また、見出しは、<売れるから「嫌中憎韓」 書店に専用棚 週刊誌、何度も>です。
しかし、取り上げられている書籍はどれも「憎韓」の書籍ではありません。
朝日新聞が勝手に「憎韓」と言っている。
行間から読み取れる
「こんな日本になって嫌ですよね〜、皆さん」
というプロパガンダにも「呆れ」ます。
「呆朝論」を出したほうがいいかもしれない。
最後に、慶応大の大石裕教授(ジャーナリズム論)が次のようにおっしゃっています。
「週刊誌などだけがブームを作ったわけではない。メディアが日韓・日中の対立ばかりを報じ、日常的な交流のニュースを捨象してきたことも根本にある。報道全体の検証が必要だ」
本来ならば、朝日新聞自身が、こう自社の報道を反省して締めくくって頂きたい。
「週刊誌などだけがブームを作ったわけではない。朝日新聞が先頭に立って日韓・日中の対立ばかりを報じ、「従軍慰安婦」を捏造して問題化して対立を煽り、『いたずらに差別を助長する』と本質的な国柄の違いを報じてこなかったことが根本にある。報道全体の検証が必要だ」
これなら、この記事の意味があったのに、と残念です(笑)。
まずは、慰安婦問題に煙もないところから火をつけ、煽りに煽った自らの虚報を謝罪してから、モノを言って頂きたい。
また、このたびの朝日新聞の記事、取材ともつかぬ「電話」を受けてこのように書かれましたので、経緯説明のために全文載せます。
https://www.facebook.com/sankeibooks1/posts/761275393885094
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・・・・・ということで、本当は筆者に電話がかかってくるところから始まるのですが、新聞記事はこうやってつくられるという典例みたいだったので、転載してみました。
私も60年生きているわけですから、これまでに取材されたこと、ありますよ。
悪いことじゃないですよ(そっちなら黙ってますが)、まあ、ちょっとしたことです。
その新聞記者は用意した質問を発して、私が応えると、必ず確認を取っていました。
「それは~という事ですね?」って。
正確を期すためだろうと思ってたんですが、どうも違和感がある。
正直言って、「新聞記者ってなぁ~・・・・何だかなぁ~」みたいな気持ちが元々あったからです。早い話、あまり好意的に見てなかった。
だから、2、3回目の「それは~という事ですね?」辺りから「いえ、そうじゃなくって~」と抵抗し始めてみました。
翌日の新聞を見て、あれだけ喋ってこれだけか、と思ったことを覚えています。確かに喋った言葉が書かれているんですが、私の言いたかったことは見事に消えてしまっている。
理由はすぐわかりました。
記者が初めからシナリオを持っていて、それに合わせてそっちに持って行くような質問を用意している。
つまり。
「丸い卵も切りようで四角、物も言いようで角が立つ」、じゃないけれど、「この人に聞く」、じゃないんですからね、取材されると思ったら大間違い、いや、正真正銘の取材なんでしょうか、結局材料扱い。あとは記者(文作成者)の腕の見せ所、ってなわけです。
見事に「~新聞の主張」という記事になっていて、取材された者は言葉のきれっぱしをモザイクのガラス片のように言いように使われているだけなんですね。
でも、言ったこと自体は事実だから、(文作成者)は「~氏はこう言った」として、「オレじゃないもんね」のスタンス。
小刀細工に、同じことを書いて置いて、「~氏はこう『批判』した」「揶揄した」などと、付ける。この一言で印象操作完成。
NHKのM会長の件、教科書通りです。えげつないのは結託してやっているとしか思えない各社の報道姿勢です。
勿論、産経新聞もやりますよ。産経は飛ばしは、やる、誤報は多い、で大概なもんです。
けれど、ただ一つ感心するのは、産経は「オレじゃないもんね」、は、やらない。
これは立派です。
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